
CAEソフト【 Femtet 】-ムラタソフトウェア株式会社
本例題について
積層熱伝導シートを用いた解析事例としてアルミナ基板上に銅、ニッケル、金が積層めっきされたモデルを熱伝導解析した例を示します。
温度分布や温度境界の間の熱抵抗や熱流束の分布を解析結果として見ることができます。
表に記載されていない条件は初期設定の条件を使用します。
項目 |
条件 |
ソルバー |
熱伝導解析[Watt] |
解析空間 |
3次元 |
解析の種類 |
定常解析 |
単位 |
mm |
解析オプション |
なし |
直方体形状のアルミナ基板のソリッドボディの上面にシートボディを1枚作成し、2回複製することで3枚まで増やし、
それぞれのシートボディに銅、ニッケル、金の材料定数とそれぞれの厚みをボディ属性で設定しています。
サンプルのプロジェクトには電極を積層シートでモデル化した積層シートモデルに加えて比較のため、
電極も含めて全てソリッドボディでモデル化した積層ソリッドモデルおよび電極のない基板のみのモデルを同梱しています。
いずれのモデルにおいても基板の両端に0度と100度の温度境界条件を設定しています。
積層シートモデル
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
シートボディの厚み |
材料名 |
0/Solid |
Substrate |
|
001_アルミナ※ |
4/Sheet |
Electrode1 |
20×10-3[mm] |
008_銅Cu※ |
5/Sheet |
Electrode2 |
5×10-3[mm] |
010_ニッケルNi※ |
6/Sheet |
Electrode2 |
5×10-3[mm] |
002_金Au※ |
※材料データベースを利用
積層ソリッドモデル (厚みはシートボディの厚み設定と一致)
ボディ No./ボディタイプ |
ボディ属性名 |
材料名 |
0/Solid |
Substrate |
001_アルミナ※ |
4/Solid |
Electrode1 |
008_銅Cu※ |
5/Solid |
Electrode2 |
010_ニッケルNi※ |
6/Solid |
Electrode2 |
002_金Au※ |
※材料データベースを利用
境界条件名/トポロジ |
タブ |
境界条件の種類 |
条件 |
100degree/Face |
熱 |
温度 |
100 [deg] |
0degree/Face |
熱 |
温度 |
0 [deg] |
温度分布の解析結果と2つの温度境界条件の間の熱抵抗の解析結果を示します。カラーバーの単位は[deg]です。
積層シートモデルと積層ソリッドモデルでは電極部分の熱伝導率が基板よりも高いため基板のみモデルよりも熱抵抗が低くなっており、
電極の両端部の幅が広い部分では特に熱伝導が良くなるため温度勾配が低くなっていることが分かります。
積層シートボディの要素分割数は24640、積層ソリッドボディの要素分割数は54576であり、積層シートボディを用いることで
低い計算コストでソリッドモデルと同等の結果が得られていることが分かります。
熱流束(大きさ)のコンター図を示します。カラーバーの単位は[MW/m2]です。
まず積層シートモデルについて示します。
次に積層ソリッドモデルの結果を示します。
積層シートモデルと積層ソリッドモデルで概ね一致した熱流束分布結果になっていることが分かります。
熱伝導率が高いCu(Electrode1)とAu(Electrode3)のシートの熱流束がNi(Electorode2)よりも高く、熱流の密度が高いことが分かります。
積層シートモデルでは各シートの位置が重なっているため、複数のシートボディのコンター表示を同時出力すると
結果表示が重なって表示されてしまいます。
ボディツリーでコンター表示したいボディのみにチェックすることで着目するシートボディの結果を確認することができます。
(注意)
ソリッドボディ表面でシートボディが重複して定義された場合に積層熱伝導シートとして機能します。
積層熱伝導シートモデルは面方向の熱伝導については積層ソリッドモデルと同様の解析ができますが、通常のシートボディと同様、厚み方向の熱伝導については
積層構造は反映されず熱抵抗ゼロの前提となります。したがって、厚み方向の熱伝導によって顕著な温度勾配が発生するケースには適用できません。
積層方向の熱伝導による温度勾配を考慮する場合はソリッドボディを用いてください。
またG1メッシャーでは積層シートボディは同一形状である必要があります。(G2メッシャーでは形状が同一である必要はありません。)
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