例題27

影のある輻射解析(定常解析)-簡易設定-

本例題について

  • 2枚の板の間に円板が配置されたモデルで輻射の影の解析を行った事例を示します。
    「例題16 影のある輻射解析(定常解析)」と類似した問題を、簡単な方法で設定を行っています。
    (「輻射の計算式と設定方法」デフォルト設定を利用する方法を参照)
     

  • 温度分布や熱流束ベクトルを解析結果として見ることができます。
     

  • 表に記載されていない条件はデフォルトの条件を使用します。
     

 

解析空間

項目

条件

解析空間

3次元

モデル単位

mm

 

解析条件

項目

条件

ソルバ

熱伝導解析[Watt]

解析の種類

定常解析

解析オプション

なし

 

モデル図

2枚の板の間に円形の板を配置しています。

下の板の底面は1000度で固定し、周囲は自然対流、表面間輻射の設定をしています。

円形の板の存在によって上の板に輻射の影ができるかどうかを解析します。

ボディ属性および材料の設定

ボディ No./ボディタイプ

ボディ属性名

材料名

0/Solid

Plate_1

008_銅Cu

1/Solid

Disk

002_ポリカーボネートPC

2/Solid

Plate_2

002_ポリカーボネートPC

 

各ボディ属性表面での輻射率を以下のように設定しています。

ボディ属性名

タブ

設定

Plate_1

熱表面

輻射率:
ボディ属性毎に指定するをチェック

0.5

Plate_2

熱表面

輻射率:
ボディ属性毎に指定するをチェック

0.5

Disk

熱表面

輻射率:
ボディ属性毎に指定するをチェック

0.99

境界条件

以下のように境界条件を設定しています。

境界条件名/トポロジ

タブ

境界条件の種類

条件

外部境界条件

熱伝達・対流

自然対流(係数自動計算)

輻射の種類:表面間(精度重視)

高温の壁/Face

温度

1000度

輻射の種類:外部境界条件に従う

ゼロ度/Face

温度

0度

輻射の種類:表面間(精度重視)

 

輻射の設定は、解析条件「熱伝導解析タブ」の輻射の設定(「輻射の設定」ダイアログ)からも設定、確認することができます。

以下に表示した結果を示します。

 

3つのボディ属性の外部境界は表面間輻射の輻射面として扱われます。また、ボディ属性毎に設定した輻射率が表示されていることが確認できます。

 

また、「ボディ属性に設定されている境界条件をすべて表示する」をクリックすると以下のような表示に切り替わります。

 

Disk表面に「ゼロ度」、Plate_1表面に「高温の壁」という境界条件を設定していますので、それが表示されています。

それぞれ「外部境界条件に従う」が設定されており、外部境界条件は表面間(精度重視)」が設定されていますので、すべての面が表面間輻射の輻射面として扱われることが確認できます。

 

解析結果

上の板の温度分布を示します。

(他のボディはフィールド非表示(右クリック>ボディのフィールドを非表示)としています。)

 

上の板の中央部の温度が約160度となっており、周囲の260度と比較して、温度が低くなっていることが分かります。

これは円板の存在によって下の板からの輻射熱の影が発生したためと考えられます。

 

温度分布を(5,0,5)から(5,10,5)の2点間で横軸をY座標としてプロットした結果を示します。

 

 

 

 

 

 

 

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